「はじめてでもおいしい 菓子工房ルスルスのタルト&キッシュ」の著者でもあり、お菓子教室も人気を博す、パティシエール新田あゆ子シェフの2店目が、東京スカイツリーの開業で活気づく浅草に近ごろオープンをはたした。
スイーツ番長(以下、番長)「東麻布店(一号店)から5年が経ち、浅草に出店とは、随分とイメージの異なる街に店を構えられた感じがありますが?」
新田あゆ子シェフ(以下、新田)「麻布というと高級感が漂いますが、実は庶民的な下町だったので違和感は特にありませんね。浅草観音裏と呼ばれるエリアに移り住み、もう14年目で、実は店と同じ町内に家族と暮らしています。」
番長「そうだったのですか。それにしても、ずっと以前からこの場所にあるかのようで素敵なたたずまいですね。」
新田「お菓子屋さんらしくないたたずまいでしょうか(笑)。ここはもともと日本舞踊のお稽古場だったところで、天井も高く、店内の奥には板張りの舞台もあります。そのままの設えを活かしつつ設備を整えお菓子教室に使用しています。このような建物があるのが、浅草らしい良いところですね。」
番長「新田シェフがお菓子関係の仕事につかれたのは、どんな理由からですか?」
新田「手に職をつけて、一生仕事を続けていけるようになりたいと思っていました。そうしたら女性だとパティシエしか思いつかなかったのです。でも今思えば美容関係とかほかにもあったわけで、パティシエールになったのは、やはりお菓子が好きだったからなのでしょうね(笑)。」
番長「東麻布店はお菓子教室がメインだったようですが?」
新田「はい、お教室がメインで店舗営業は週に2~3日、タルトやキッシュ、焼き菓子やシュークリームなどをつくって販売していました。妹に手伝ってもらいながらの2人での営業でしたので、毎日の製造販売は難しく、お菓子教室ならば長くやっていけると思っていたのです。ところが、お教室に来てくださる方やお菓子を買いに来てくださる人との関わりがとても楽しくなり、毎日つくって販売をしたくなったのです。そうなればスタッフも必要なわけで、皆とも長く仕事を続けていけるようになる。そのためにはもっと広い環境が必要、と、そう考えていたら偶然にもこの場所の話をいただきました。」
番長「浅草店では焼き菓子のほかにプリンやゼリーやケーキといった生菓子も毎日販売されるそうですね。」
新田「はい。こちらでは冷蔵ケースも設えて対応しています。だからといってパティスリーだのフランス菓子店だのと構えずに、ドアを開けたらさりげなくお菓子が並んでいて、でも買ってみたらすごく美味しくて居心地も良い。そして店に来るのが楽しくなる。お客さんやスタッフのコミュニケーションが拡がる駄菓子屋みたいな存在というか、そんな場所にしたいのです。」
番長「なるほど、いかにも浅草らしく人情味がありますね!」
パティシエという男社会から、希望と理想を実現していく新田シェフ。職人とは腕一つで勝負し生きていくその姿を指すが、その腕一つに家族や身内、友人、スタッフなど多くの支えと想いがあるということを新田シェフは語ってくれた。それらが優しさというお菓子のエッセンスとなり、浅草の地でも訪れる客を喜ばしていくに違いない。
●季節のタルト(1ホール 1,176円)

グレープフルーツとピスタチオのタルト。ピスタチオの薫り、グレープフルーツの酸味、生地とバターの香ばしさ、そのどれもが見事に引き立ち、焼き菓子の楽しさが詰まっています。シーズン毎に素材が入れ替わり、出合う楽しさもその魅力です。1カット売りもあります。
●シュークリーム(220円)

もくもくと昇り立つかのような、丁寧に立てられたカスタードクリーム。オーダー後にクリームを詰めてくれるのでシュー生地の香ばしさもそのままに、フレッシュな美味しさが楽しめる。小振りなこともあるが、2個3個とついつい手が伸びてしまうほど。
●ルスルスキッシュ(399円)

トマトとパプリカの夏野菜のキッシュ。色とりどりの季節の野菜がたっぷりのキッシュは、野菜の美味しさもそのままに、サックリと焼き上がり、元気になる美味しさ。著書でも紹介されている人気もの。
都内洋菓子店で現場経験を積んだのち、製菓専門学校にて製菓技術の指導にあたる。その後、都内焼き菓子店の教室スタッフとして、教室運営や実技コース講師を経験。2007年4月、菓子工房ルスルスを東麻布に姉妹で開業。2012年7月25日に2店目となる浅草店をオープン。著書「はじめてでもおいしい 菓子工房ルスルスのタルト&キッシュ」(INFASパブリケーションズ刊)
菓子工房ルスルス 浅草店
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