不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

勤務先が遠くなったことと、最近の不動産価格高騰を耳にして築4年のマンションを売却/千葉県習志野市Sさん(30代)

千葉県習志野市Sさん(30代)/勤務先が遠くなったことと、最近の不動産価格高騰を耳にして築4年のマンションを売却

子どもが生まれるのを機に千葉県習志野市にマンションを購入したSさん。しかしその約3年後、勤務先が移転したため少し通勤時間が増えました。まだ暮らし始めたばかりでしたが、最近は不動産価格が上がっていると聞き、今のうちに売却して新居を探すことにしました。

不動産区分 マンション
所在地 千葉県習志野市
築年数 約4年
間取り・面積 3LDK(約70m2
ローン残高 約3500万円
査定価格 4300万~4800万円
売り出し価格 4950万円
成約価格 4900万円

通勤時間が延びたことと、不動産価格が高騰していると聞き、売却することに

子どもが生まれるのを機に、2015年に千葉県習志野市の新築マンションを購入したSさん。歩いて8分の最寄駅はJRと私鉄、地下鉄が乗り入れる大きなターミナル駅で、駅周辺には大規模な商業施設が複数あります。都内に職場のあるSさん夫婦にとっては、通勤が楽で、買い物や食事に困らないなど、とても便利な立地でした。

また駅前はとてもにぎやかですが、そこを抜けて3〜4分歩けば静かな住宅地。そこに建つ24階建ての7階に住まいがありました。「高層階ではありませんが、目の前が抜けていて、眺めもよい住戸でした」

しかし暮らし始めてわずか約3年後、Sさんの勤務先が、同じ都内ではあるものの、千葉県とは反対側の西側へ移転。そのため約1時間だった通勤時間が、朝のラッシュ時には2時間近くかかるようになりました。「ちょっとしんどいな、と思っていたところ、不動産の価格が高騰しているという話をよく耳にするようになったんです」

マンションのポストにもよくチラシが入っていて、その販売実績を見てみると、確かに購入時の価格と同等か、それ以上で販売されていたそうです。「正直、住み始めたばかりの住戸に愛着がありましたが、もしこれくらいの価格で売れるなら、もっと通勤時間の短い場所に移るのもいいなと思うようになりました」

また、引っ越すなら子どもがまだ学校に通っていない今のうちがいいだろうとも考え、まずはいくらくらいで売れるのか、調べることにしました。

それまでの生活が気に入っていたので、査定価格より150万円高く売り出す

そこでチラシに書かれていた不動産仲介会社についてインターネットで調べてから、その会社を含む2社に、インターネットの査定一括サービスを利用して査定してもらいました。この時点でのローン残高は約3500万円でしたが、査定額はそれを上まわるどころか、購入時価格とほぼ同等の4300万円と、さらに高い4800万円。高く査定したのは、チラシの不動産仲介会社でした。

「このマンションのデベロッパー系列の不動産仲介会社でした。チラシやインターネットで見ると、このマンションの販売実績が多いですし、実際査定額も高かったので、売るならここにお願いしようと考えました」

査定は2018年3月に行ったのですが、「まだ住んで3年ちょっとでしたからね。急いで売る必要もないので」と、結局この不動産仲介会社と専属専任媒介の契約を結んだのは2018年7月のこと。売り出し価格は、査定額の4800万円を上回る4950万円としました。「売れなかったらこのまま住み続けてもいいかな、と思っていましたから、安く売るつもりはありませんでした。私が通勤を我慢すればいいだけですから(笑)」

このように、売れるまでは今のマンションで暮らし続けるつもりでいたため、新しい住まいは、売れてから探すことに。売却後は新居が見つかるまで賃貸住宅で暮らそうと考えていました。

新しい住まいは売れてから探すことに

安易に妥協せず、半年以上待ち続けてようやく希望通りに売却成功

こうして2018年7月の媒介契約と同時に販売を開始したのですが「内見は月に1〜2件程度。思っていたより少なかったです。一度『4500万円なら購入したい』という方がいらっしゃいましたが、お断りしました」

その後もなかなか購入希望者が現れません。2018年の年末になると、不動産仲介会社からも「少し価格を下げませんか?」と提案されましたが、Sさんは首を縦に振りませんでした。「なにしろ、通勤時間以外は気に入っているので」

すると年が明けた2019年2月に、4850万円なら購入したいという購入希望者が現れます。「これは4900万円を落としどころに交渉してみようかなと思い、そのように返事をしたところ、向こうも了承してくれました」

購入希望者は近隣の賃貸住宅で暮らしていて、そろそろ持ち家を買おうと探していた幼い子どものいる夫婦だそう。「このマンションの立地が気に入ったようで、同じマンションの別住戸も内見していたそうです。中でもウチの住戸は眺めが気に入ったとおっしゃっていました」

こうして2019年4月に売買契約を結び、5月に引き渡しました。同時にSさんは都内の賃貸住宅へ移り住み、新居選びを始めます。その後「なかなか思うような住まいに巡り会えませんでした」が、ようやく都内に新築マンションを見つけて2021年5月に売買契約を済ませ、7月に引っ越すことができました。

売却で得た利益は、購入マンションの頭金と、将来に備えて貯金することに。「貯金の使い道はまだ決めてませんが、子育てにお金がかかりますし、繰上げ返済もしていきたいと思います」

■専属専任媒介とは

専属専任媒介とは、不動産を売却する際に不動産仲介会社と結ぶ「媒介契約」のひとつです。「媒介契約」は、買い手を探したり、買い手との取引条件の調整や契約事務などの仲介業務を依頼するための契約で、他に「専任媒介」「一般媒介」があります。その中でも「専属専任媒介」が、最も拘束力の強い契約です。具体的には売り主は専属専任媒介を契約した会社以外に、仲介を依頼することができません。また自分で買い手を見つけた場合でも、依頼した会社を通して取引することになります。一方で不動産仲介会社としては「売却物件を指定流通機構に登録すること」「1週間に1回以上、販売活動の状況などを売り主に報告すること」等の法規制があります。一般的に他の2つの媒介契約より、不動産仲介会社が積極的に売却活動を行ってくれやすい媒介契約です。

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売却まで半年以上かかったが、焦りはなく、値下げも考えなかった

売却活動全体を振り返って、Sさんは「正直、半年もあれば売れると思ったんですが、予想以上に時間がかかりました」。
なかなか売れない状態が続きましたが、それでも従来の生活が(通勤時間以外は)気に入っていたので、焦りはなく、最後まで値を下げるつもりもなかったそうです。「おかげで待った甲斐がありました」
一方、新居選びも売却後から約2年かかりましたが、こちらも「良い物件がなければ賃貸で構わないと考えていましたから」と不満はないそう。新居の最寄り駅は、以前のような大きなターミナル駅ではありませんが、商業施設や商店街が充実していて、暮らしやすい街だそう。「もちろん通勤時間は以前のように約1時間になりました」と、満足そうでした。

2018年3月 ・マンションの売却価格査定
2018年7月 ・不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
・4950万円で販売を開始
2019年2月 ・購入検討者が現れる
2019年4月 ・4900万円で売買契約を結ぶ
2019年5月 ・物件を引き渡す

まとめ

  • チラシなどで同じマンションの住戸がいくらで売買されているか確認すると相場を掴みやすくなる
  • 市場状況や物件次第では、都心でなくても購入時価格を上まわる査定額がつくこともある
  • 現在の住まいに満足しているなら、安易に売却価格を妥協せず、じっくり待つことも一つの方法

イラスト/いぢちひろゆき

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