不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

不動産仲介会社との媒介契約を2度変更し、古家付き土地を値下げして売却/千葉県松戸市Hさん(60代)

千葉県松戸市Hさん(60代)/不動産仲介会社との媒介契約を2度変更し、古家付き土地を値下げして売却

自宅のメンテナンスが負担になってきたため、千葉県松戸市の築34年の一戸建て(4LDK)を売却することにしたHさん。なかなか反応がないことから、不動産仲介会社への信頼が揺らぎ、媒介契約を2度変更。敷地内に残置物があることも不安だったといいます。

不動産区分 古家付き土地
所在地 千葉県松戸市
築年数 約34年
間取り・面積 4LDK(延床面積…約88m2、敷地面積…約100m2
ローン残高
査定価格 900万円~1300万円
売り出し価格 1180万円
成約価格 800万円

自宅の老朽化で、マンションへの住み替えを決意

千葉県松戸市の自宅が古くなり、2017年ごろから住み替えを考え始めたHさん。一戸建てを建て替えるという選択肢は選ばず、マンションを購入して引っ越すことに決めたといいます。

「土地面積は約100m2、2階建ての4LDKです。築34年ですから、建物はもちろん、住宅設備も老朽化していました。建て替えるとなると、家を解体し、設計プランを考えて、完成するまで仮住まいが必要。時間も労力もかかります。外壁や屋根、庭木のメンテナンスなどが負担になってきたこともあり、今後はマンションのほうが楽に暮らせるだろうと考えました」

Hさんの家は最寄駅から徒歩13分ほどの住宅街に立地。近くにスーパーやコンビニエンスストア、市民会館や図書館もそろい、生活しやすい環境だったそうです。

「住宅ローンは完済しており、新居の購入資金も用意できたので、急いで売却する必要はありません。まずは住み替え先の物件探しから始めました」

古家付き土地として1180万円で売り出す

住み替え先のマンション探しが順調に進んだHさんは、2018年2月、自宅一戸建ての売却準備をスタートしました。

「インターネットの一括査定を利用して3社から簡易査定を取りました。査定価格は500万円ほどの開きがありましたが、いくらぐらいで売れそうかつかむことができました。その後、エリアに強そうな不動産仲介会社を調べて、3社に訪問査定を依頼。その中から、地元密着型のA社に売却の仲介を依頼しました」

訪問査定では、建物には値段がつかず査定価格は土地代のみで900万円という会社や、時間をかければ1300万円で売れるという会社もあったといいます。査定価格の高低より実績を重視して、地元密着型のA社を選択。

2018年3月、HさんはA社と専属専任媒介の契約を結びました。

「A社を信頼して専属専任媒介にしました。売り出し価格は担当者と相談して1180万円に設定。『中古一戸建て』ではなく『土地』として売り出すことにしました。またA社から、広告には『土地』と『古家付き土地』の両方で掲載することを提案されました。不動産総合サイトで2つのカテゴリーに載せれば、情報収集をしている人のアンテナに引っ掛かりやすいということでした」

Hさんは同時期にマンションの売買契約を済ませ、5月に新居へ引っ越すことが決まりました。あとは売却を残すのみとなりましたが、売却活動を始めるに当たって気がかりがあったといいます。

「敷地内の残置物が気になっていました。物置は処分したほうがいいだろうと判断し、不動産仲介会社に撤去を依頼。引っ越し先に持って行かなかった大型家具等の処分と合わせて30万円ほどかかりました。植木もかなりありましたが、現況で売却することにしました」

残置物の撤去イメージ

早く売るために価格を変更、媒介契約の見直しも

A社は5つの不動産情報サイトにHさんの物件の情報を掲載するなど、売却活動をスタートしました。しかし、売り出して2カ月は反応が少なかったといいます。

「毎週、A社からサイトへのアクセス数や問い合わせ件数の報告がありました。担当者がこまめに報告をくれるので安心感はありましたが、なかなか内見希望に至らず、思い切って売り出し価格を下げることにしました」

売り出して2カ月後、Hさんは売り出し価格を200万円下げ、980万円にしました。

しかし、価格を下げても反応は少なかったといいます。

「このまま専属専任媒介でA社に任せていて本当に売れるだろうかと心配になりました。そこで、3カ月の契約期間が終了したのを機に、A社との契約を一般媒介に変更。もう1社、地元の不動産会社に仲介を依頼し、2社で競って売ってもらうことにしたのです」

2018年6月、HさんはA社及びB社と一般媒介契約を結びました。

「売り出し価格は980万円のまま売却活動を続けましたが、反応は芳しくありませんでした。仲介を依頼した2社を比較すると、まめに報告をくれるのはA社で、B社は決まった報告を文書で送ってくるだけ。親身にやってくれるA社を信頼して、もう一度、私の物件を託すことにしました」

2018年9月、HさんはB社との契約は延長せず、再びA社と専属専任媒介契約を結びました。同時に、売り出し価格も見直すことにしたそうです。

「価格に強いこだわりはなく、できる早く売りたい気持ちのほうが強かったですね。翌年に持ち越さず、年内に決着したいと不動産仲介会社に伝え、200万円の大幅値下げを検討していました」

その矢先、ついに内見希望者が現れました。内見後、800万円で購入したいと値下げ交渉があったといいます。

「790万円に値下げを考えていたところでしたから、先方の言い値で売ることにしました。購入したのは賃貸物件を複数手がけている人で、私の家もリフォームをして賃貸として活用するということでした。その後の段取りは問題なく進み、2018年10月に売買契約を結び、物件を引き渡しました」

■媒介契約の契約期間

不動産会社1社のみに仲介を依頼する契約専任媒介と専属専任媒介は、法律(宅地建物取引業法)で契約期間が3カ月以内と定められています。契約の更新には売主から申し出が必要で、更新した場合も契約期間は同じく3カ月以内です。一方、複数の不動産会社に仲介を依頼することができる一般媒介は、法律による契約期間の定めはありません。ただし、国土交通省が定める標準媒介契約約款では3カ月以内とされています。

迷いながらの試みが不動産会社への信頼を深めた

売却活動全体を振り返って、Hさんは「おおむね満足です」と答えてくれました。

「売り出し価格より400万円近く下がってしまいましたが、1年がかりにならなくて良かったです。内見の時に植木などの処分を求められないか不安でしたが、現状のまま引き取ってもらえて安心しました。 不動産仲介会社の担当者はよくやってくれました。途中で別の会社を入れたことでA社への信頼が深まったので、契約形態を変えたのも意味のある試みだったと思います」

今はマンションの9階に夫婦2人で暮らすHさん。一戸建てでは味わえなかった眺望の良さを満喫していると話してくれました。

2018年2月 ・マンションの売却価格査定
2018年3月 ・A社と専属専任媒介契約を結ぶ
・1180万円で売り出し
2018年5月 ・売却価格を980万円に変更
・購入検討者が現れる
2018年6月 ・A社、B社と一般媒介契約を結ぶ
2018年9月 ・A社と再び専属専任媒介契約を結ぶ
・購入検討者が現れる。800万円で交渉成立
2018年10月 ・売買契約を結ぶ

まとめ

  • 築年が古い一戸建ては、「古家付き土地」として売り出す方法もある
  • 専任媒介契約・専属専任媒介契約の有効期間は3カ月。状況によって契約を見直すことが必要
  • 残置物は撤去すべきかどうか、不動産会社に相談しよう
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取材・文/小宮山悦子 イラスト/キットデザイン

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