35年超の返済期間で住宅ローンを借りてもいいのはどんな人?

公開日 2025年12月10日
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ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
35年超の返済期間で住宅ローンを借りてもいいのはどんな人?

住宅ローンといえば「35年」が返済期間のMAXであるのが一般的でしたが、最近はどうやら40年や50年という「35年超」の返済期間を選択する人が増えているようです。超長期間の返済によるリスクはないのでしょうか。返済期間による返済負担やローン残高の減り方、40年・50年返済を選んでもいい人の条件を解説します。

4人に1人が住宅ローンの40年返済や50年返済を利用している

35年超の返済期間を選ぶ人が増加

住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者調査」(2025年4月調査)の結果を見ると、ここ2、3年の間に35年超の返済期間を選んだ人が増えてきていて、直近では合計25.5%の人が35年超の返済期間を選んでいることがわかります。

利用した住宅ローンの返済期間
※1 「40年超~50年以内」は、2023年10月調査より選択肢に加えて設問している
※2 2023年4月調査までは「35年超」として設問している
出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査」(2025年4月調査)(グラフ作成/SUUMO編集部)

35年超の返済期間を選ぶ人が増えた背景は?

35年超の返済期間を選ぶ人が、ここ2、3年で急に増えてきたのは、2つの理由が考えられます。

都心部の物件価格の高騰

1つ目は、都心部の物件価格の高騰です。東京都23区内の新築マンションの平均価格が2年連続で1億円を超えるなど、最近の物件価格の高騰によって、35年返済では毎月の返済額が高すぎて買えない人が増えたのではないかと思われます。

超長期ローンのニーズの高まり

そして2つ目が、そのような超長期ローンのニーズの高まりに対応すべく、多くの銀行等がローンの最長返済期間を35年から40年50年へと延ばしたのではないかと思われます。その結果として、直近でローンを組んだ人の4人に1人が35年超の返済期間を選んだのでしょう。

40年返済や50年返済を検討する際に想定しておくべきリスクとは?

長い返済期間中には思いがけないことが起こる可能性も

個人的には、従来の最長だった35年返済を選ぶことも、本当に組んでも大丈夫なのかを慎重かつ冷静に判断すべきだと思っています。なので、40年返済や50年返済の選択は、より慎重にリスクを想定したうえで、「これなら大丈夫!」と自信をもって選べる人以外には絶対におすすめしません。

例えば、27歳の若さで家を購入するとしても、40年返済だと67歳までローン返済が続くことになりますし、50年返済だと77歳まで返済が続くことになります。

27歳だと、今はまだ共働きで余裕があって、途中で繰り上げ返済をすればなんとかなるだろうと思うかもしれませんが、子どもが生まれて妻が働けなくなる可能性もゼロではありませんし、生活費や教育費の負担増によって、思うように繰り上げ返済ができなくなる可能性もあります。

そのほか、転職や休職、離婚、病気、介護など、長い人生においては、さまざまな出来事が起きる可能性があります。それらの事態が起きたとしてもきちんと返済し続けていけるのか、40年や50年という超長期の返済期間を選択するのであれば、それらのリスクについても想定しておく必要があるでしょう。

「最悪、家を売ればなんとかなるだろう」と思う人もいるかもしれませんが、40年や50年といった超長期の返済期間を選択する場合は、そのような安易な考えは捨てるべきです。「売りたくても売れない」という状況になってしまう可能性もあるからです。

重い利息負担+なかなか減らないローン残高

超長期の返済期間ほど利息と残高の負担が大きい

売りたくても売れない状況になる可能性があるのはなぜでしょうか。それは、多くの人が利用する元利均等返済の場合、超長期の返済期間を選ぶほど、トータルの利息の負担が重くなり、ローン残高がなかなか減っていかないからです。

返済期間による毎月返済額と総返済額の違い

借入金額5000万円、借入金利年2.0%、元利均等返済(ボーナス返済なし)で、30年返済、40年返済、50年返済の場合の毎月返済額と総返済額を比較してみましょう。50年返済は、30年返済に比べて毎月5万3000円近く少ない返済額で済むものの、総返済額では1300万円近く支払額が多くなってしまうのです。

借入金額5000万円の住宅ローン。返済期間による返済額の違い
返済期間 毎月返済額 総返済額
30年 18万4809円 約6653万円
40年 15万1412円 約7268万円
50年 13万1895円 約7914万円
金利2.0%、元利均等返済(ボーナス返済なし)。完済まで金利は変わらないものとする。試算:菱田雅生(表作成/SUUMO編集部)

これは、超長期のローンほど、毎月返済額に占める利息の割合が多く、ローン残高がなかなか減っていかない結果として総返済額が増えてしまう、という構造的な問題だといえます。

返済期間によるローン残高の減り方の違い

同じ条件のローンで、10年後、20年後、30年後のローン残高を比較してみると、50年返済では30年が経過してもローン残高が半分以上(52%)も残っていることがわかります。仮に30年後に売ろうと思っても、売却代金よりもローン残高のほうが多ければ、その差額を現金や預金で準備できない限り、売りたくても売れない状態になってしまうのです。

借入金額5000万円の住宅ローン。ローン残高の減り方による返済額の違い
返済期間 10年後のローン残高 20年後のローン残高 30年後のローン残高
30年 約3653万円(73%) 約2009万円(40%) 0円(0%)
40年 約4096万円(82%) 約2993万円(60%) 約1646万円(33%)
50年 約4355万円(87%) 約3568万円(71%) 約2607万円(52%)
( )内は借入額に対するローン残高の割合。金利2.0%、元利均等返済、ボーナス返済なし。完済まで金利は変わらないものとする。試算:菱田雅生(表作成/SUUMO編集部)

40年返済や50年返済を使ってもいい人の条件は?

超長期返済を利用する条件をチェック

どんな人だったら40年返済や50年返済を使ってもいいのでしょう。こういう人なら大丈夫だろうという条件を考えてみました。

資産があり長期的な運用ができる人

NISAやiDeCoなどの将来に向けた資産形成をすでに始めていてそれなりの資産があり、住宅ローン金利以上の利回りで長期的な運用ができる人。

将来、売りやすい貸しやすい物件を購入する人

立地条件のいい物件で、築30年や40年になってもすぐに買い手や借り手が見つかる可能性の高い物件を買う人。

夫か妻のどちらか一人でローンを組める人。離婚した場合の対処を考えておける夫婦

ローンは夫婦のどちらか一方のみが組むことを決めている、または、ペアローンを利用する際は離婚した場合にどうするかをすでに決めている夫婦。

これら3つの条件すべてを満たす必要はありませんが、少なくとも1つか2つを満たしていないと40年や50年の返済期間を利用するのは危険でしょう。とにかく、利用の際はきちんと計画を立てて、慎重に検討を重ねるようにしてください。

まとめ

ここ2、3年、35年超の返済期間を選んだ人が増加

超長期の返済期間を選ぶほど支払う利息が増える

超長期の返済期間ほどローン残高の減り方が遅く、将来売却しにくいことがある

資産の長期的な運用、売却などがしやすい物件の選択、ペアローン利用なら離婚のリスクに備えることが利用の条件

イラスト/杉崎アチャ

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