2025/12/30 07:14 up
お正月が近づくと、
それぞれのご家庭では、
おせち料理の準備に大忙し…
というのは、以前の話です。
今やおせち料理は、
「作るもの」ではなく「買うもの」
と、なっています。
子どもの頃は、
年末年始の休みに入る頃には、
母が一品一品、作って、
お重に詰めていたように思います。
その際の食材と年末年始の買いだめに、
よく荷物持ちで駆り出されたものでした。
それからしばらくすると、
手間のかかるものは、
お惣菜のお店で買ったりして、
「手作り×出来合いのもの」の
MIXおせち料理みたいになりました。
年を追うごとに、
「出来合いのもの」の比率が
高まっていたと思います。
そして、いつの間にか、
私も、おせち料理を食べる側ではなく
作る側になりました。
まずは、基本を大切にしようと、
一の重、二の重、三の重の内容を調べ、
それに忠実に詰めていきました。
もちろん出来合いのものですが、
盛り付けは得意でした。
ところが、出来合いのものを買うのも
だんだんと面倒になり、
全てを揃えようと思うと、
まあまあの金額になるので、
「それなら、手間のかからない、
見た目豪華な方が…」と、
お重に詰められたおせち料理を
買うことになりました。
三段重だけにはこだわり、
毎年、いろんなお店のものを
買っていましたが、
必ず、三の重が手つかずで残ります。
そして、一の重やニの重は、
残るものがいつも同じです。
さらには、元旦に家族揃って
「あけましておめでとう」の時だけ食べて、
晩ごはんの時には、
誰も、おせち料理には見向きもしません。
私1人が、3日まで頑張っていました。
時代は変わったものです。
3年前ぐらいからだったでしょうか。
「もったいないから、
好きなものだけを
買うことにしよう」となりました。
それからの我が家のおせち料理は、
それぞれに好きなものをリクエストして、
それらを買って、大皿に盛るという
皿鉢風おせち料理となりました。
私、盛り付けは得意なんです。
今では、皿鉢風おせち料理が
当たり前のようになっている我が家です。
今年も、31日の晩に、
盛り付けをする予定です。
長い歴史のなかで受け継がれてきた
伝統文化を大切にしたいと思う私には、
悲しい限りですが、
伝統文化というものは、
時代のニーズに合わせた再解釈によって、
形を変えながら、
次の世代へと伝えられていくもの
ではないかと思いました。



