2025/12/26 19:00 up
※今回は年末スペシャルでいつもより短編小説になる予定です
「お疲れ様でした、良いお年を──」
今年最後の仕事もようやく終り、ふう…とため息をついて腕の時計に目をやればもう結構いい時間になっていた
俺は急いで帰り支度をすると、電車に足早に乗り込む
早く帰りたいな
そんな事を思いながら、走り出した車窓の景色に目を向けた
───────
「っ、ただいま、遅くなってごめん」
靴を脱ぐのももどかしく、急いでリビングのドアを開ける
「お帰り〜、意外と早かったね?…お疲れ様」
そう言ってキッチンから俺に笑顔を向けたのは、ひと足先に帰って家に居たマロン
「ちょうど鍋も出来たところだよ」
「ごめんね、マロンも仕事あったのに、早めに帰ってメシの用意とかしてくれて…」
「なに言ってんの、今日は私の方が運良く結構早めに仕事終われたからやっただけだよ」
そう言ってマロンが微笑う
「ほら手洗っておいでよ、鍋パーティー始めよ?」
「そうだね…ふふっ、了解」
ジャケットとネクタイ、鞄を自分の部屋に投げ込んで、手を洗って再びリビングへと戻る
マロンと二人だけの、ささやかな年越し鍋パーティーを始めるために──



