2025/12/24 19:00 up
10)
寝室に戻るとまだマロンはベッドに伏せたままで
…やっぱり無理させたな
俺はベッドに近寄って静かに腰かけると、そっとマロンの頬に触れる
「ん……っ」
マロンが吐息を洩らして少し顔をしかめた
「ん、ごめん、もうなにもしないから」
俺はそんなマロンの顔を眺めて微笑う
やっと俺のものにした
手放すなんて考えられない
「っ、先に惚れた俺が負けだもんな」
ボソッと呟いたあと可笑しくなってふっと微笑う
「……●●君、それホント?」
突然聞こえた声に顔を向ければ、いつの間にか覚醒していたマロンが俺を見上げてちょっとびっくりした表情をしていて
「っ、マロンっ」
「●●君っ、その話詳しく聞かせてよっ」
「は?な、なんのこと?なんも言ってないし」
慌てて俺はその場を取り繕う
「ねえねえ、●●君いつから私のこと好きだったの?」
俺の独り言はしっかり聞かれていたらしい
「~っ、るさいっ、また泣かせるよ?」
脅したつもりがマロンはふふっと微笑って俺に両手を広げてみせた
「いーよ」
…ほらやっぱりマロンには敵わない
「ったく…」
「っ、わぁっ」
俺は手を伸ばしてマロンを抱え上げる
「先に身体洗ってあげる」
「ふふっ、●●君やさしー」
そう言ってマロンは俺の首に腕を回すと、顔を寄せて頬にチュッとキスをした
「っ、あっ、動くな落ちるっ」
突然の不意打ちに危うくマロンを落としそうになった俺
「ふふっ、ほら、落とさないようにちゃんと抱えててよね」
俺の腕の中で嬉しそうに笑うマロン
くそ…完全に遊ばれてる
「……後で絶対泣かしてやる」
「優しくしてね♡」
見上げるマロンと視線を交わして微笑い合い、口角の上がるその唇に熱いキスを落とした
ー終了ー



