2025/12/13 00:30 up
少し前の日記で、
映画『爆弾』は、自分が今年観た作品の中では断トツに1番かも、すごいと思ったもう1本と双璧かも…と書きました。
すると、会いに来て下さった皆さまによく聞かれましたね。
「双璧のもう1本は何?」
「もしかして『国宝』?」
その度にお答えしてきました。
『国宝』もよかったけれど、これじゃないんです…と。
『国宝』。
この作品が偉大なのはもちろんです。
何回も観ました。
私は、この映画の美しさ、絵面のよさに魅入り劇場に通っておりました。
だって、吉沢亮さんと横浜流星さんですよ。
スクリーンいっぱいにふたりの貌。
見目麗しくて「うわっ…」
唖然の次に押し寄せるのは「うー…」の唸り。
そして、このふたりを超える美しさと妖気を放っていたのが、田中泯さんです。
作品の中で万菊という女形を演じてますが、
よい意味で化け者さまです。
もうずいぶん前のNHKドラマ『ハゲタカ』
これで初めて田中泯さんを知りました。
それから唸りっぱなしの、なんか息をとめて観てしまうのですよね。
すごくて。
このひと、すごいよねと。
映画『国宝』、
役者さんたちの美しさは圧倒的でしたが、
ストーリー展開はあまり…(あくまでも個人の感想です)
吉沢亮さん演じる喜久雄が、
歌舞伎の世界を追放されても尚、芸を捨て切れず場末の舞台で舞うドサ回りの日々を描くシーンがありますね。
賞賛されず、敬われず、なじられて。
自暴自棄と慟哭の刹那、狂気をはらんで舞うあれは…
画としては、すごく美しいですよ。
でもですね、万菊さんにも言われた「貴方のその美しい顔」を持ったひとは、そんなどん底に堕ちません。
だから、ドサ回りの成れの果ての狂気の舞いは、ちょっと……
これ、どこかで観たような。
記憶に新しい『ジョーカー』とか。
生き辛さをずっと感じてきたジョーカーだからこそ、儚さや切なさを体現出来る訳で、
その狂気を観た者は、彼をさんざん嘲笑った懺悔の念で苦しくなるけれど。
美しさを持って生まれて、芸でも誉めちぎられてきた喜久雄が彼なりに自嘲気味に舞っても、
観る者にしてみれば「なんだ、只々綺麗じゃないですか」と…
歌舞伎の世界を追放されても、喜久雄なら他のエンタメ界、テレビや映画、舞台で活躍出来るはず。
したたかなマネージャーなら梨園でのスキャンダルを逆手にとって、もっと喜久雄を輝かせることが出来るのではないかなぁ、なんて。
場末の舞台でなじられるどころか、
表舞台で賞賛を浴びることでしょう。
でも。
喜久雄はきっとジレンマを抱えますね。
自分が輝きたいのはこんな世界じゃないんだ、
歌舞伎の世界で芸を極めたかったんだ、
戻りたい、戻りたい、戻れない。
いったい何処で狂ってしまった俺の世界…
いったい俺は何をやってるんだ…
喜久雄の切なさ葛藤は、こっちじゃないかな、
と生意気ながらに思った次第です。
さて肝心の、
「双璧のもう1本」ですが、こちらです。
『トワイライト・ウォリアーズ』でございます。
およそ女子が選ぶベストワンではないかもしれませんが。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
大好きな私ですから…
『トワイライト・ウォリアーズ』は今月末から配信が始まりますね。
そして『ひゃくえむ』も。
楽しみです。
皆さま。
読んで下さり、ありがとうございます。
どうぞよい週末を。
お身体いちばんに優しく…
おやすみなさい



