2025/12/21 12:21 up
エアコンの音が小さく響くくらいで、人の気配はまったくない。だからこそ、“音の快楽”が際立つ。
私はゆっくりと近づいて、耳元に息を落とすように囁いた。
「静かに……してって言いましたよね?」
その一言だけで、お兄様の身体がびくっと跳ねる。まだ触っていないのに、肩が震えるって……どれだけ敏感なんですか?
指先を頬のすぐ横に滑らせて、触れていないのに“触れている錯覚”だけ与える。その距離で息を吹きかけると、喉の奥で抑えきれない小さな声が漏れた。
ほら、聞こえた。
「ねぇ……漏れてますよ?」
と囁いたら、目が泳いだ。
触れずに追い詰めるのが、
どれほど残酷で、どれほど甘いか。
唇が触れるか触れないかの距離で止まって、
「我慢できないなら……どうされたいの?」
と言いながら目を逸らさせない。
静けさを破ってしまうのは、
私じゃなくてお兄様の声。
その瞬間がたまらないんです。



