2025/12/23 07:47 up
映画や漫画で
ちょっと苦手な描写がある。
それは 「没頭している=天才」
みたいな表現。
散らかった机。寝てない目。 無精ひげ。そしてメガネ。
そんな人現実で見たことないわ。
この人頭いいんでしょ。
努力とか葛藤とか全部すっ飛ばして
そういう見た目で説明を終わらせるやつ。
オタクだからって
パソコンが得意とは限らない。
アニメを見てるからって
プログラミングができるわけでもない。
アイドルオタクが
「〇〇ちゃんのSNS、ハッキングしちゃお」
なんてならんやろって話。
好きなものに夢中なのと
それを使いこなせるかどうかは
まったく別の話や。
見た目から内面を匂わせるのは
表現として正しいし技術でもある。
メガネをかけてたら知的に見えるし
無口だと深く考えてそうに見える。
でもそれって
分かりやすさと引き換えに
人間の複雑さを削ってないかって思う。
没頭してる人が天才なんじゃなくて
没頭せざるを得なかった背景が
その人にあっただけやろと。
本当は 集中できない日もあるし
投げ出したくなる日もあるし
自分を疑いながら
とりあえず手を動かしてる日もある。
それでも続けてる人を
たまたま切り取った瞬間が
「天才っぽく」見えてるだけ。
女風の仕事でも
似たことを感じる。
落ち着いてる=余裕がある。
包容力がある=何も悩んでない。
そんなふうに思われることがあるけど、
実際は 緊張もするし、 空回りもするし
「これで合ってるんかな」って
毎回ちょっと考えてる。
ただ、それを
あえて表に出してないだけ。
人は 見た目や雰囲気で
安心したり期待したりする生き物やから
それ自体が悪いわけじゃない。
でも、 メガネを外した瞬間に
天才じゃなくなるわけでもないし
没頭してない時間が
価値ゼロになるわけでもない。
ラベルより、 その人が続けてきた時間とか
迷い方とか、 立ち上がり方の方が
よっぽど人間らしいと思う。
少なくともボクは 「天才」に見られたいより
「ちゃんと考えてる人」に 触れてもらえる方が嬉しい。
メガネは たまたま視力が悪いだけやからね。
Eveki



