2025/12/19 16:42 up
お気に入りのラジオ番組で
なぜ僕らは
実用的ではないものを大事に思えるのか。
なぜ人は、ただの「もの」を
愛したり、腹を立てたりできるのかということを話していた。
理由は単純で
人はものを擬人化するから。
完璧じゃないところに性格を見て
調子の波に気分を重ねて
そこに「意思がある気」がしてくる。
ボクと同世代なら
きっとわかる人も多いと思うけど
スーパーファミコンって
一発で起動する日と
なぜかつかへん日があった。
息を吹きかけて、カセットを少しズラして
もう一回だけって願う。
今日はいける。
いや、今日は機嫌悪いか。
あのランダム性に、
ボクらは無意識に「人間味」を感じてたんやと思う。
もし毎回100%完璧に動く
無機質な箱やったら
たぶんあんなに記憶に残らへん。
人は、便利なものより
扱いづらいものに思い出を預ける。
女風の仕事をしていても
それはよく感じる。
完璧な対応や、正解だけの距離感よりも、
少し不器用で、その日の温度間がちゃんと伝わる時間の方が心に残ると思う。
「今日は調子いいな」
「今日はちょっと静かやな」
そういう揺らぎごと含めて
人は人を好きになる。
便利じゃないから、予定通りじゃないから
愛着が生まれる。
たぶん
人を好きになるっていうのは
相手を「もの」みたいに扱うことじゃなくて
逆に世界にあるもの全部を
人みたいに感じてしまう心のクセなんやと思う。
だから今日も
つかへん日があるスーファミみたいに
完璧じゃない自分を
ちょっとだけ許して寝ようと思う。
Eveki



