2026/01/03 20:13 up
・新たなヒーロー像を模索した作品でもあり、ウルトラマンのデザインに始まり
地球防衛組織に所属する隊員である主人公が、当初はウルトラマンに変身しない(最終回では変身を果たし主人公=ウルトラマンの図式は守られた)。
ウルトラマンの変身者が複数存在する。
戦闘が宇宙刑事ギャバンの様に異空間で行われる。
これは予算削減の為とされている。
防衛隊が超強い (胡散臭さと重苦しさも従来のウルトラ防衛チームとは超段違いだが)。
連続ドラマ構成。
……等の試みが行われ、ウルトラシリーズでも異色の作品となっている(当初は弱小防衛チームの成長を描いた『ウルトラマンクロス』と言う作品として制作されていた)。
・土曜日の朝(午前7時30分)と言う時間帯に放送されていたが、スタッフ曰く「深夜番組のつもりで作った」らしく、更に元々番組の放送時間帯が定まっておらず、放送ギリギリの所で朝に決まったとの事。
・過去のウルトラマンシリーズでも類を見ない重苦しくハードでシリアスなストーリー、Jホラー調な演出の作品に仕上がり、年末年始商戦等どこ吹く風なショッキングな展開の一部エピソード(斎田リコ編~ノスフェル編)に関しては朝日新聞に批判まで載ってしまった。
・それでも、「どの枠だろうと内容は変えるつもりは無かった」と渋谷プロデューサーは発言している。
ちなみにこの作風は現在、日中は当然として深夜枠でも厳しいらしい。
・予算の問題でスペースビースト一体を倒すのに数話を費やしたり(しかも怪獣の造形もチビッ子号泣もののグロテスクなものが多い)、又ウルトラマンが戦わない回が幾つかあったりもした(しかも序盤に多い)為、従来の強くて頼れるウルトラマンの活躍を求める子どもらの支持さえも得られず、放送短縮が決定する。
・当初の路線を捨てての子供向け路線への大幅な路線変更も提案されていたが、「路線変更はファンへの裏切り」と言うプロデューサーの熱意で、作風を崩す事なく3クールでの完結を迎えた。
ちなみに過去には子供が真似しづらいと言う事から新たな要素の『ウルトラマンA』の合体変身や『ウルトラマン80』の教師設定が破棄され、路線変更された例がある。
・その影響かソフビやなりきり玩具やポピニカをほしがる子どもの評価とは対照的にスタッフの熱意を認める特ヲタからの評価は高く、商売抜きに作品内容に没頭出来る一部のコアなファンも獲得している。
ただ、一応本作自体も第26話以降、千樹憐がウルトラマンの変身者となってからは若干明るめのストーリーに変化している。
・話の展開に無駄がなくなりスピーディになった憐編以降や、全ての伏線を上手く1話分にまとめ上げた最終回は絶賛されており、そういった多大なプラス要素もあって「放送短縮は正解」とまで言われているが、一方で「50話までやってほしかった」という声も根強い。
ただ、内容が内容なのでファンの間でも本作(特に第25話まで、姫矢准編)を週1で視聴するのはキツイといった意見も見られる。
・憐編はキャストの「絶対に枠に収まらないと分かっているけど撮影した」という証言があるほどあちこちカットされた様であり、DVDにはディレクターズカット版やカットされたエピソードのうちの一つが収録されている。
更に本作の脚本家の一人である太田愛氏によれば「千樹憐のパートは後に放送されない可能性もあった」とまで明かしている。
・放送短縮が現場スタッフに通知されたのは2004年の忘年会であり、その理由が1クールの時点で低視聴率に加えて玩具の売れ行き不振であった事になる。
加えて放送短縮の影響で既に撮影も進んでいた『ULTRAMAN』の続編映画『ULTRAMAN2 requiem』はあえなく中止となってしまった。
・ファンにも勘違いされがちだが、単純に視聴率や売上不振のみで放送短縮が決まった訳ではない。
既に製作時に放送枠の午前7時30分にはネクサス以前のアニメ『交響詩篇エウレカセブン』や実写版『美少女戦士セーラームーン』で視聴率が取れない為に、2006年4月(つまり次回作の『ウルトラマンマックス』の終了後)から情報番組になる事が確定していた。
この為、もし1年の4クールで放送すると次の枠が決まってなかった円谷にとって(『ウルトラマン列伝』と言う形で枠が取れていた『ウルトラマンギンガ』~『ウルトラマンオーブ』時ならまだしも)、次回作を2クールで作るのは非常に困難であった事、又『マックス』を『ウルフェス』と連動させてヤマ場を作りたいと言うイベント企画側の都合で、放送をウルフェス開始の夏期間に合わせる事情があったのも要因である。
・「路線変更をしていれば…」と言う意見もあるが、それを放送短縮と『ULTRA N PROJECT』の頓挫の要因とするには無理がある。
前者の経緯は上述の通りだし、後者に関しても配給側である松竹の悪手で『ULTRAMAN』の興行成績が不振だったのも大きい。



