2025/11/30 20:13 up
ポール神父がジョーに関して嘘を付いた事を不審に思ったライリーは、夜、公民館にいる神父の元へ戻り、そこで『天使』に襲撃されました。
ライリーは神父の声で死から復活し、神父の正体や自分が吸血鬼となった事を知ります。
怯えて拒絶するライリーに、司祭は神から贈られた素晴らしい奇跡を受け入れる様に説きます。
司祭はジョーを殺害した事に罪の意識も後悔も感じていないと言いました。
ベヴァリーが示してくれた聖書の解釈によって、神の意志を実行しただけだと考えたからです。
人を殺した事に罪を感じていていない司祭は、同じく人を殺してしまった事のあるライリーに、罪を感じていない事をどう思うかと問い質します。
問い詰められたライリーは「嫉妬する」と本音を答えたのでした。
ライリーはミサに通わされてましたが、聖体拝領は受けてない。
襲撃されたその場で『天使』の血を与えられたんですかね。
それにしても、ライリーが吸血鬼になった後の司祭との一連のやり取り、司祭が何を言ってるのか私にはさっぱり分かりません。
ジョーを殺した事に司祭が罪悪感を感じないのは、「へブル人への手紙9章14節」と言うのが切っ掛けになってるっぽいですが、その引用内容を聞いていても意味が良く分からないし、なんでそんな解釈が出来たのか謎でした。
頭を抱えるライリーは多分「もう聖書はウンザリだ」と思っています。
何で司祭は罪の意識を感じないんでしょう。
殺した相手がジョーじゃなかったとしても感じなかったでしょうか。
ライリーの『嫉妬』と言う答えも最初ピンとこなかったのですが、毎日罪の意識に苛まれている自分に対して、司祭はそこから解放されているから嫉妬すると言う事でしょうか。
ライリーは轢き殺してしてしまった少女を毎晩夢に見る位、罪の意識に囚われていましたから、とても苦しかったでしょう。
苦しみから解放されたいけれど解放されてはいけないという思いがあったのだと推測します。
だからこその『嫉妬』なのかと。
ライリーはちゃんと自分が犯した罪の重さを理解して向き合っている人間だと思いますけどね。
吸血鬼となったライリーは夜中にエリンの元を訪れ、手漕ぎボートに乗せて沖合へと連れ出しました。
そこで、自分に起きた事を全てエリンに話したのです。
ライリーは、海に出る事で自分の逃げ場を封じ、その目で見たものしか信じないであろうエリンを信じさせたかったのです。
そして、ボートに乗って島から逃げて欲しいと願ったのです。
愛していると伝えたライリーは、地平線から昇って来た朝陽を全身に浴び、エリンの目の前で焼き尽くされたのでした。
誰かの血を飲んで異質な体になってしまったライリーは、愛するエリンや家族や島の人間を守る為に、自ら犠牲になりました。
主人公だと思っていたライリーがここで物語から退場したのは衝撃的でした。
そして、彼が最後に見せた大きな愛と勇気は悲劇的で美しかったです。
轢き殺してしまった少女が微笑んでくれて、ライリーは赦されたと思いました。
ライリーが、人の命を奪ってしまった自分自身を最期に赦せたと言う事だと思います。
とても感動的なシーンでしたが、私はてっきり木製のボートだと思っていたので、「ボートも燃えてエリン溺れ死ぬじゃん!」ってちょっとハラハラしました(笑)。
木製じゃなかったみたい。



