2025/11/27 20:19 up
マーゴは元々参加すべき人物ではなかった。
タイラーは別の女性とレストランに行く予定だったが直前で振られており、1人では予約出来なかったのでマーゴを雇っていたのだ。
ゲスト達は情報を調べられ、その情報はトルティーヤのイラストに使用されたが、マーゴは完全に部外者だったので何者かわからなかった。
その為、スローヴィクもその扱いに悩み、マーゴが与える側(奉仕者達)か奪う側(富裕層達)か判断に困り、マーゴが何者か探っていた。
スローヴィクはマーゴが娼婦と知り奉仕者として与える側に入れ、エルサの代わりに使用人の仕事をさせ様としていた。
しかし、マーゴが密かに無線で外部に助けを呼んだ事から、シェフ達と価値観を共有出来ないと判断され奪う側にされる。
しかし、ここでマーゴはスローヴィクに『チーズバーガー』を注文する。
チーズバーガーはスローヴィクが若かりし頃、まだ彼がゲストに奉仕するのが楽しかった頃に作っていた料理だった。
マーゴはその事を私室に飾られた写真で知り、チーズバーガーを頼んだのだった。
マーゴの為にチーズバーガーを作るスローヴィクはかすかに笑っており、かつての気持ちを思い出させてくれたマーゴに感謝し、逃したものと思われる。
ちなみにこのチーズバーガーの料金は9ドル95セントである。
マーゴの両親にも支払える金額だと言っている辺り、マーゴが富裕層ではない事も逃すことにした要因になっているのだろう。
ちなみに日本人の感覚だと10ドル(1500円)近い金額のチーズバーガーを普通に食べられるのは既に富裕層である(笑)。
マーゴが店を去る時、本当に去っていいのかゲストの方を振り返るが、その時リーブラントの妻が小さく行けとジェスチャーするのが印象的。
自身もシェフ達を傷付けていたのに気が付き、マーゴはタイラーに巻き込まれただけなのを知っての行動なのだろう。
・何故タイラーはレストランに来たのか?
タイラーはスローヴェクと8ヶ月も連絡を取っており、この日のゲストが全員死ぬ事を知っていた。
なのに何故来たのか?とスローヴェクからも問われている。
明確な答えはタイラーからも返ってこなかったので推測するしかないが、グルメマニアであるタイラーは今日のメニューがこれまでで最高に壮大なものになると聞いて、なんとしても食べたかったのではないだろうか。
タイラーは所々でスローヴィクに嫌われないか気にしていたが、もしかしたら自分だけは料理を食べた上で生かしてもらえると思っていたのかも知れない。
もちろんスローヴィクにそんなつもりはなく、料理を散々に罵倒された挙句、何かを囁かれ自ら厨房着を脱ぎ自◯してしまう。
おそらくタイラーのグルメマニアとしての尊厳を激しく傷つけるものであったのは想像に難くない。
・シェフ達の思い
全員が死ぬ企画を考えたのは副料理長のキャサリンだった。
自殺した副料理長ジェレミーだけでなく、他のシェフたちもスローヴィク共に死ぬ運命に抗う様子はなく、その運命を受け入れている。
副料理長のキャサリンとリリアンの会話からは、キャサリンはかつてリリアンに追い込まれた料理人である可能性が窺える描写となっているが、他のシェフ達も同じような理由でスローヴィクに雇われたのではないだろうか。
そうだとすれば、共に死ぬ事も厭わないシェフ達の強い信頼感も頷ける。
・丁寧に伏線が用意された良作
スローヴィクの動機や心情があまり語られないので、自らで想像するしかない部分を残した作品だが、そのヒントはあちこちに散りばめられている。
その辺の謎解きを楽しめるかで評価が変わりそうな作風だが、先の読めない展開は一見の価値がある。
人気女優アニャ・テイラー・ジョイの演技も素晴らしく、マーゴと言うキャラクターの権威に靡かない、芯の強い気性がよく表現されている。
スローヴィクも休日に見に行った映画が彼女の作品だったら、もっと違った人生があったのかも知れない。
ちなみにスローヴィクの料理への想いが強過ぎて、私語禁止みたいな面倒くさい拘りのあるラーメン屋みたいになっている(笑)。
私はもっと気楽に料理を楽しみたいなぁ(笑)。
いかがでしょうか、興味を持って頂けたら是非ご覧下さい😇



