2025/11/21 18:21 up
次第に事態に気付いたのが、刑事の高柳でした。
虐待を疑いユウマ君を助けようとしますが、怪異の影響で命を落とします。
更に登場するのが警視庁の木戸。
木戸は百物語や怪異の存在に気づき、呪いを「人形の依代」に封じる特殊な術を持っていました。
木戸はヒナちゃんの呪いを吸収して命を落としますが、最後までヒナちゃんを守ろうとします。
一方、怪異は静かに最終段階へと進んで行きます。
・ヒナちゃんへの憑依と母の執着
亡き母の霊は、ヒナちゃんの身体へ憑依を始めます。
義父・義母は怪異により次々◯害されます。
ユウマ君は「母を残すのか、ヒナちゃんを守るのか」の選択を迫られる
百物語は最終段階・99話目まで進行
母はこう語ります。
「あともう少しでヒナの身体は完全に私のものになるの」
『僕が死ぬだけの百物語』。
母は息子を守ろうとしながらも、いつしか独占欲の怪異と化していました。
・最後の百物語と静かな別れ
百物語の99話が終わった後、ユウマ君は最後の決断をします。
「ヒナちゃんを守り、母の元へ旅立つ」
ユウマ君は自ら命を絶ち、母の霊のもとへ向かいました。
残されたヒナちゃんは、ユウマ君の遺影の前で新たな百物語を始めます。
・百物語は誰に向けて語られていたのか?
『遺影視点』と言う仕掛け
本作の静かな仕掛けは、『百物語の語り相手』が最後まで曖昧に描かれていた点です。
読者はずっと、ユウマ君が怪談を語っている姿を見ますが、誰に向かって語っているのかは説明されませんでした。
物語の大半は、実質的に『母の遺影視点』で描かれていたのです。
読者カメラ=遺影の視点
遺影は常にユウマ君の語りを受け止め、静かに見守る。
つまり読者は知らぬ間に、母親の立場に同化して物語を見ていたとも言えます。
これが作品全体に独特の距離感と静謐さを与えました。
そして最終話で明かされる真実。
ユウマ君は母の遺影に百物語を語っていた。
ヒナちゃんはユウマ君の遺影に語り始める。
百物語とは、『誰かを繋ぎ止める祈り』の儀式でもあったのです。
祈りの継承は、静かに、けれど確実に次世代へと渡っていきました。



