2025/11/09 17:13 up
〜『食』は世界の希望〜
『ダンジョン飯』ってどうしてこんなに魅力的なんだろう?
すきま時間でアニメ鑑賞、続きが気になり過ぎて自宅や仕事場やマンガ喫茶で全巻読破(笑)。
かなりの駆け足で本作を読み終わった私は思った。
最初はふんわりファンタジーグルメ系かな~と見始めたが、どんどんその世界に引き込まれた。
数々のマンガ賞を受賞している本作。
面白い、大好き!と言う声もあちこちで聞くが、何がそんなに読者を惹き付けるのか。
その魅力を私なりに考察してみたいと思います😊
※以下、一部ネタバレを含むのでご注意ください
①あらすじ
仲間を助けようとしてドラゴンに食べられた妹を救出する為に、兄ライオスと仲間達が魔法のダンジョン(迷宮)で、魔物を調達・調理しながら冒険する物語。
②感想と考察
・混沌とした世界で『食欲』は希望的な拠り所
結論から言うと、本作の最終的なテーマは『欲望』だと思います。
人は願いが叶うともっともっとと欲しくなるものである。
この尽きない『欲望』を象徴しているのが、魔法のダンジョンである。
大なり小なり尽きない『欲』を満たす為に人々(人以外も含む)がダンジョンに集まり、財宝を探す者、商売を営む者も現れ、交易の場が生まれていく。
私達の世界と同じ様に、長い歴史の中での人種・種族を超えた確執も根深く、権力を握ろうとする者、それに対抗する者の争いも存在する。
魔法のダンジョンを軸にしながらも、作品内には非常に緻密でリアルな世界が構築されてる。
ストーリーが進むにつれてシリアスさや暗さも増していくが、『食』の場面は物語を一貫して明るい。
シビアな中にもこの明るさに救われる部分が多々ある。
どんなに辛い事があってもお腹が空く、お腹が空くから倒した魔物で調理して、おいしく頂く。
『食』とは、混沌とした世界における希望的存在であるとも言える。
笑いの要素と遊び心も随所に散りばめられていて、このエッセンスにより暗い展開の中でも読み手は少し安堵しながら読み進める事が出来る。



