2025/11/01 20:03 up
『とんねるずのみなさんのおかげです』内の一介のパロディコントでありながら、バラエティの域を超えた大人気コンテンツとなった『仮面ノリダー』。
その影響力は本家『仮面ライダー』を手掛けた東映側も無視できるものではなくなってしまい、元々東映に無許可で製作していた事もあって、映像ソフト化は一切禁止されたまま現在に至っている。
ただし、事後承諾で許可は申請・受理された為、放送自体は『V2』まで続く事となり、その後の過去を振り返る企画でも「石森プロ・東映」のクレジット付きで当時の映像が使用されている。
又、2013年に東映は『仮面ノリダー』を商標登録している。
『仮面ライダーBLACK』でプロデューサーを務めた吉川進Pは、かつて関連書籍で「パロディとヒーローは相容れないのです」と『仮面ノリダー』に対して批判的なコメントを寄せており、『仮面ライダーBLACK RX』以降の製作モチベにも少なくない影響を与えたと言われている。
実際、『仮面ライダーBLACK』と『仮面ライダーBLACK RX』の2作品で南光太郎を演じた倉田てつ氏をも撮影当時は「本作について触れない様に」と言う暗黙のルールに従っていた他、『BLACK』放送当時に本作への出演をフジテレビ側から打診されたが、東映の許可が下りずに断念せざるを得なかったとの事。
理由(噂で)は当時、バブル景気でノリにノッていたフジテレビは文句なしの絶頂期であり、本作には製作費の無駄遣いっぷりを自虐的に笑いのネタにするような場面も頻出し(火薬が爆発する度にいちいち掛かった費用を口に出す等)、それが癪に障ったのかも知れない(笑)。
・その一方で原作者の石ノ森章太郎先生は「子供が好きなんですよ」・「実は自分も楽しく観ている」と好意的に捉えていたようだ。
又、同じ東映内でも初代『仮面ライダー』から『仮面ライダーZX』までプロデューサーを務めた平山亨Pは本作を笑いながら見ていたと言う証言もある。
そもそも倉田氏もルールに従っていたし東映が許可をしなかったから出なかったものの、個人的には普通に出たがっていた事を証言している。
過去の10人ライダーの世界を無かった事にしようとしつつも、シリーズという楔からは逃れられず世界観の接続と10人ライダーの投入、さらに打ち切りが決まり、自分が消したかった過去作品の作風に忠実なノリダーの方が人気を博してしまったと言う『RX』末期の吉川Pの心情は察するに余りあるだろう。
・現在でも根強いファンを持ち、ライダー談義で名前が挙がる事もしばしばある。
平成ライダーシリーズの役者やスタッフにも「当時観ていた」と言うファンがおり、パロディながら本家に与えた影響は決して小さなものではなかったであろう。
しかも、仮面ライダーシリーズ自体がノリダーがなければ「過去に流行ったシリーズ」として終焉していた可能性も90年代には存在したので、ノリダーは東映のプロデューサーの「受け入れがたい」と言う思いとは裏腹に、仮面ライダーシリーズの命脈を2000年代まで繋げ、平成ライダーの誕生に繋げたと言う点で偉大な存在である。
・2019年に公開された『劇場版 仮面ライダージオウOver Quartzer』にて木梨猛役で木梨が出演。
公開当日まで情報は伏せられていた。
カメオ出演ではなく木梨の見せ場となるシーンは用意されているが、「ライダーとして認めてもらえず囚われていた」と言うメタフィクション的な設定での登場であり、『仮面ノリダー』に変身する事はなかった。
・マニアックなネタに定評のあるよみうりランドの『仮面ライダージオウ』ショーに、アナザーライダーのプロトタイプである「ノーライダー」が登場したことがある。
このノーライダーなるものは1号をベースにして巨大な耳と鼻をくっつけたもので、胸には大きく「NO RIDER」と書かれている。
その姿はノリダーに似ていると噂されている。
ある意味、元祖アナザーライダー(笑)。
いかがでしょうか、パロディドラマでありながら本家以上に人気が出てしまった『仮面ノリダー』。
もし、観る機会があれば是非観て爆笑して下さい🤣



