2025/10/11 18:16 up
『ウルトラマン80』の魅力は、中学校教師でありながら怪獣と戦う主人公の矢的猛の「教師」というユニークな設定にあります。
昭和最後のウルトラマン作品としての重厚な世界観、そしてリアルなメカニックや特撮技術にあります。
前半は学園ドラマと怪獣の融合、後半には現実味のある特捜チームUGMの活動等が描かれ、シリーズの集大成ともいえる魅力を放っています。
と同時に本作は実写テレビ作品としては、予算をかけた特撮のレベルが非常に高いのが有名です。
『スター・ウォーズ』に始まるSFブームの最中に製作されたのが大きく、海外SFを意識した様なデザインや演出も多数見られる。
それを支えたのはウルトラシリーズ休止中も恐竜シリーズや『スター・ウルフ』・『メガロマン』といった作品で腕を磨いたスタッフである。
メカニック描写では離陸シーンに見られる一連の演出と基地の造型、スペースマミーの巨大感、スピード感溢れる戦闘機の飛行シーン等が素晴らしい。
又殺陣においても、トランポリンを利用した軽やかでダイナミックなアクションが多数見られた。
これら特撮シーンはアナログ特撮の最高峰ともいわれています。
③雑学・トリビア・余談
・『ザ☆ウルトラマン』と同様、やたらとナレーションの挿入頻度が高く、作品全体の特徴となっている。
・放送局も取り扱っている題材も同じであるせいか、「学園ドラマ」編で生徒役として出演していた子役に、その後『3年B組金八先生』の第2シリーズに生徒役で出演していた者が2人存在する。
第3話でゲスト生徒として出演していた子役も又、金八先生の第1シリーズの後番組で、第2シリーズの前番組である姉妹作品の『1年B組新八先生』にレギュラー出演している。
・再放送の回数が少なかった事や劇中でウルトラ兄弟に入らなかった事からか、後の扱いが微妙に悪い。
シリーズ休眠期に製作されていた総集編的作品や雑誌展開では殆どウルトラ兄弟の一員として見なされていたが、映像作品で正式にウルトラ兄弟の九男と明言されたのは『ウルトラマンメビウス』客演以降から。
尚、初期設定ではウルトラ兄弟に加わるまでの過程が描かれる予定だったらしく、それを示すかのように当時の番宣ポスターにもゾフィーからレオまでの姿が掲載されていた。
※ここでもハブられるアストラ……(笑)
ちなみに、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』第50巻の「クイズDEお金もち」にて、クイズマニアの家で「ウルトラ兄弟の名を全部いいなさい!」と問題を出された両津勘吉が正解を出す場面でも『ウルトラマン80』の名は含まれていなかった。
その『メビウス』での客演回「思い出の先生」はその内容から実質的な本作の第51話にあたり、本作の路線変更さえプラスに活かしてストーリーを補完した理想的な後日談として、ファンからの評価は非常に高い。
・最終回のサブタイトルが「あっ!キリンも象も氷になった!!」である事は特撮ファンにはあまりにも有名だが、本作終盤は笑ってしまう様なサブタイトルがこれ以外にも結構あったりする。
ちなみに最終回のタイトル自体は緩すぎるものが、エピソード自体はUGMに身を置いた矢的猛の物語として見れば熱い展開で大団円を迎えている。
・ウルトラマンシリーズの映像ソフトでお馴染みEMOTIONからVHSがリリースされたのは、そろそろDVDの時代も近づこうという1998年ごろ(一応、他社でソフト化された事が過去にある)。
必然的にDVD化も遅く、しかもボックスセットとしての発売からスタートしたり、FEシリーズでも当初は隠しキャラとして登場したり、実写テレビシリーズの主役としてはゲームや玩具でのラインナップも登場回数が少なかったりする。
Blu-rayも『ウルトラQ』が発売されて以降、順当に『ウルトラマンレオ』まで発売されていく中で『ウルトラマン80』(及び『ザ☆ウルトラマン』)はなかなか商品化の機会がなかったが、2024年に開催された「ザ☆ウルトラマン&ウルトラマン80 45thスペシャルナイト」でようやく商品化がアナウンスされた。
・5年間怪獣が現れなかった期間は1975年3月に『ウルトラマンレオ』が「さようならレオ!太陽への出発」で円盤生物ブラックエンドを倒してからの月日である。
・渓谷怪獣キャッシーが『帰ってきたウルトラマン』に登場した爆弾怪獣ゴーストロンに似ていると指摘される(ほとんど似てないけど)など過去作との繋がりが間接的に明示されている。




