2026/01/08 08:05 up
7日 10:00朝活 130分+ 29度目ましてさま❤️
三週間ぶり。
本当は、年末年始も逢えるはずだった。
軽く交わした約束は、
インフルエンザでいったん流れて、
時間だけが、少し空いた。
年明けの挨拶に返ってきた
『7日、10時から大丈夫ですか?』
その控えめでまっすぐな一文に、
彼らしい誠実さを感じた。
ドアを開けると、
テーブルの上にはビールとおつまみ。
もう準備万端、という顔で迎えられる。
「用意してくれてたの?」
そう言うと、
『伊織さん来たら、すぐ乾杯できるように』
なんて、さらっと言うところが彼らしい。
まずはビールで乾杯。
まだ触れてもいないのに、
空気だけが先に、じんわり温まっていく。
体調の話、
お正月の話。
寝て、食べて、少し出かけて。
特別じゃない会話が、心地いい。
グラスを置いたタイミングで、
彼がぽつり。
『……延長、しよっか』
130分が、迷いなく180分に変わる。
新年早々、この素敵な流れに心が躍る。
部屋の空気が、少しだけ変わる。
キスは、ゆっくり。
確かめるように、間をあけながら。
抱き寄せる力も、
急がず、強すぎず。
前回の流れをなぞるように、
でも、ほんの少しだけ深く。
病み上がりだからこそ、
互いに様子をうかがいながら、
丁寧に、丁寧に——
…の、はずだった。
彼は、いつも通り。
手つきも、間も、特別なことは何もしていない。
なのに。
「あ……ちょっと待って」
そう言った自分の声のほうが、
一番びっくりしている。
一度、ふっと力が抜けたと思ったら、
そのまま、立て続けに。
「……え、なんで?」
思わず笑ってしまうくらい、
今日は反応が早すぎる。
『俺、いつもと同じだけど』
少し困ったように言われて、
「それが一番困るんだけど」
と返すと、
彼は小さく肩をすくめた。
完全に、
今日は伊織のほうが調子がおかしい。
ひと息ついたところで、
彼がスマホを手に取る。
『寿司でも取るか!』
その一言が、妙に嬉しい。
出前を待つ間は、
少し距離を保って、クールダウン。
さっきまでの熱が、嘘みたい。
届いたお寿司を並べて、
今度は落ち着いて、ゆっくり食べる。
「朝から贅沢だね」
そう言うと、
『年明けだし』
と、照れたように笑う。
食べ終わって、
片付けて、
ふと視線が合った瞬間。
さっきの続きが、
何も言わなくても、ちゃんと再開される。
今度は、さっきより少し余裕があるはずなのに、
なぜか、また。
『……ほんと、今日はすごいね』
そう言われて、
「うん、今日はすごく…伊織が変」
と認めるしかなかった。
息が揃うころには、
さすがに観念して、
力が抜けていく。
終わったあと、
天井を見つめながら、
彼が静かに息を整える。
『年末年始、逢えなかった分だな』
その言葉に、
「ちゃんと今、戻ってきたね」
と返すと、
彼は少し照れたように笑った。
身支度をしながら、
「本当に、無理しないで」
そう伝えると、
『うん、ありがとう』
短い返事だけど、ちゃんと届いている声。
先に部屋を用意してくれて、
延長して、
お寿司まで頼んでくれて。
その全部が、
押しつけがましくなくて、
ただ自然で。
三週間という間を、
静かに、でもしっかり埋め直す朝。
……のはずが、
思った以上に、伊織が翻弄された再会。
この温度は、
また次まで、ちゃんと続いていく。
ーー伊織は、変わらずここにいます。
また12日後も楽しみにしています💕



