2025/12/31 17:05 up
29日 19:30 S駅 3度目ましてさま❤️
半年ぶりのご連絡は、相変わらずとても丁寧だった。
『お元気でしょうか。ご無沙汰してます。〇〇です。
年内最後にお会い出来ればと思い連絡です。
29日リクエストで19時半にお会いできますか?』
文面を読んだだけで、
彼の穏やかな声と、少し照れた笑い方が浮かぶ。
そして今回も、控えめに添えられた
『綺麗なランジェリーを…』というリクエスト。
待ち合わせは二人での初めての駅。
待ち合わせ場所に現れた彼は軽快に
『どうも〜!』
その一言で、半年の空白がすっと縮まった。
手を繋いで、まずはいつものようにコンビニへ。
ふたりともハイボール。
『これですよね、やっぱり』
「やっぱりそうですよね」
ホテルに着いて、扉が閉まった瞬間。
「お久しぶりです!」
そのまま自然にキス。
少し深くなりそうで——
彼が一度、呼吸を整える。
『あ、ちょっと待って』
「……先に乾杯しますか」
『そうしないと、進みすぎそうだから』
缶を軽く鳴らして、
「じゃ、かんぱ〜い♪」
乾杯しても距離は近いまま。
肩が触れて、腕が触れて、
気づけば彼の手が、伊織の腰にそっと回っている。
『日記、いつも拝見してて…
本当に文才がありますよね』
「ありがとうございます。
そう言ってもらえるの、嬉しいです」
視線が絡んで、
短いキスを何度か。
長くしないのが、逆にじれったい。
『その…ランジェリー』
そう言われて、ジャグジーへ行く前に少しだけ。
スカートを下ろすと、
彼の視線が正直すぎて、思わず笑ってしまう。
『……やっぱり、綺麗だなぁ』
静かで真面目な言い方が、胸に残る。
露天ジャグジーへ。
夜風と湯気に包まれて、
自然と距離が近づく。
肩を寄せて、腕を絡めて、
湯の中で、ただくっついている時間が長い。
触れすぎないのに、離れない。
『こういうの…久しぶりだなぁ』
声が近くて、
そのまま抱き寄せられる。
やがて彼は、
ジャグジーの縁に腰掛けて、
少し照れたようにこちらを見る。
『……なんか、贅沢ですね』
その言い回しが可笑しくて、
伊織は笑いながら近づいた。
湯気に包まれて、
時間の感覚が曖昧になる。
呼吸が変わっていくのも、
視線が落ち着かなくなるのも、
全部、分かる。
『ちょっと…これは……』
言葉が途中で止まって、
小さく息を吐く。
次の瞬間、
彼は天井を仰いで、
力が抜けたみたいに笑った。
『……やられたなぁ』
湯音だけが残って、
しばらく、何も言わずにいた。
部屋に戻ってから、
もう一度ハイボールで乾杯。
『なんか…大事なもの、
全部持っていかれた気がします』
そう言って笑う、その表情が、
少しだけ子どもみたいで。
近況の話、年末年始の予定、
おせちは何が外せないか。
『蒲鉾は必須ですね』
「ハイボールに合えば、伊織は何でも派です。笑」
さっきまでの熱を引きずりながら、
でも、ちゃんと会話に戻れる。
それが、彼らしい。
帰り道、駅まで並んで歩きながら、
『今日のこのホテル!すごく良かったなぁ。
また来ましょう。』
その約束が、静かに胸に残る。
年内最後にふさわしい、
湯気と笑いと、少しの余韻。
とても彼らしい夜でした。
また来年もお待ちしています💓



