2025/12/30 12:06 up
29日 16:00 G駅 7度目ましてさま❤️
年末が近づいて、
街も予定も、少しずつ慌ただしくなっていく頃。
オーダーシートに、見慣れた名前を見つけた瞬間、
胸の奥が、きゅっと鳴った。
一度、体調を崩してキャンセルになっていたから、
正直、年内はもう難しいかな…と思っていた。
それなのに、すぐに入れてくれた今日の予約。
しかも
『年内最後だから』と、
いつもより長い時間。
その一文だけで、彼がどんな気持ちで
この日を迎えようとしているのか、
ちゃんと伝わってきた。
──そしてホテルへ。
年末でどこも満室。
十件も回って、やっと辿り着いた一室だと聞いて、
思わず言葉を失う。
ドアを開けた彼は、
少し疲れた顔をしながらも、
それ以上に安堵した笑顔で迎えてくれた。
『逢えたね』
その一言と同時に、
距離を詰めるようなキス。
熱を確かめ合うみたいに、
いつもより少しだけ、強くて、長い。
『ビールで乾杯しようか!』
グラスを合わせる軽い音。
喉はまだ辛そうなのに、
それを悟らせない気丈さが、彼らしい。
年末年始の過ごし方、
仕事納めの話、
他愛ないのに、どこかあたたかい時間。
「そろそろ、シャワー行こうか」
その一言で、空気が静かに切り替わる。
ベッドに戻ってからは、
前回の流れを思わせながらも、同じにはならない。
触れ方が、
探るようでいて、迷いがなくて。
伊織が恥ずかしがると、
それすら愛おしいものみたいに、
じっと見つめてくる視線。
(……ほんと、ずるい。)
合間に始まる、彼のお決まりの“文学評”。
『あのさ、伊織ちゃんの日記さ』
「うん?」
『あの“五反田文学”読むと、
ヤキモチ妬いちゃうんだけど、
面白いから、結局読んじゃうんだよな』
照れながら語る、その横顔。
大人の余裕と、少年みたいな正直さ。
五反田文学、
本日も無事に高評価いただきました。
すると、ふと、真っ直ぐ目を合わせて。
『伊織ちゃん、綺麗だよ』
低く、静かな声。
一番、心にくる言い方をする。
変に笑って誤魔化せなくて、
ちゃんと照れて、ちゃんと受け取る。
──気づけば、時間はいつもよりゆっくり流れていて。
ふと彼が、少し照れたように笑う。
『今回さ、時間長くして正解だったな』
その一言が、
今日の空気をそのまま言葉にしたみたいで、
胸の奥が、また静かに温かくなる。
すべてが終わったあとは、
もう一度シャワーを浴びて、駅まで一緒に。
改札の前で、
がっちり握手。
『また来年!』
人混みに紛れていく背中が、
思った以上に格好よくて、
見送る目が、少しだけ甘くなる。
──約束は、
言葉にしなくても、ちゃんと続いていく。
来月のカレンダーに、
そっと目がいってしまうほど、
次に逢える日が待ち遠しい💓



