2025/12/29 12:06 up
28日 17:30 I駅 初めましてさま❤️
数日前から入っていた、事前のご予約。
そして当日の朝に届いた、あまりにも丁寧な
メッセージ。
一文一文を選びながら書いてくれたのが伝わってきて、
読むほどに、自然と背筋が伸びた。
待ち合わせ場所に向かうと、
人混みの中で、すっと視線が絡む。
きょろきょろする伊織とは違って、
彼の目線は最初から外れない。
「……彼であってほしい」
そう思いながら到着コールをすると、
同じタイミングで彼が携帯を手に取る。
やっぱり、彼だった。
『初めまして』
穏やかで、低すぎず高すぎない声。
その一言で、肩の力が抜ける。
『何か買って行きましょうか』
そう言って自然にスーパーへ。
お酒コーナーで、少し照れたように
『学習してきたんです』と笑う。
日記を読んでくれているからこその会話。
『伊織さん、お酒嗜まれるんですよね?』
ビールとハイボール。
それから『今日は冷えますから』と焼き芋も。
年末の混雑時間帯なのに、
フロントは驚くほどスムーズ。
『伊織さんを待たせるわけにはいきませんから』
先にホテルへ入っていてくれたらしい。
静かにスマート。こういうところが、ずるい。
部屋に入って、乾杯。
グラスの音が、やけに澄んで聞こえた。
『伊織さんの日記、ホスピタリティを
すごく感じるんです。
もちろん、エロいんですよ?
でもその奥に、お客様一人一人への労りがあって。
それが気になって、どんな方なのかと、
会ってみたくなったんです。』
少し間を置いてから、視線を合わせて
『そしたら、こんなに笑顔の素敵な人が来てくれた』
その距離の詰め方が、もう“大人”。
言葉が終わる前に、自然と唇が触れる。
急がない。
確かめるように、ゆっくり。
触れる手も、撫でる指先も、
「欲しい」より先に「大切にする」が来る感じ。
肩口に顔を埋められ、
耳元で吐息が混じるたび、体の奥がじんわり熱を持つ。
視線を合わせたまま、
何も言わずに、でも全部伝わっている空気。
深く抱き寄せられて、
リズムも、力加減も、伊織の呼吸に合わせてくれる。
余裕があるからこそ、こちらも委ねられる。
静かに、でも確かに、熱が積み重なっていく。
時間をかけて、たどり着く場所まで一緒に。
果てたあとは、しばらく動けずに、並んで天井を見る。
余韻まで、ちゃんと心地いい。
タイマーが鳴って、名残惜しくお支度。
駅まで並んで歩く道すがら、
『来年も、よろしくお願いします』
その言葉が、なにより嬉しかった。
年の終わりに出逢えた、
静かで、深くて、あたたかい時間。
きっとまた、思い出してしまう夜だった💕



