2025/12/27 12:06 up
26日 15:30 S駅 20度目ましてさま🎉
年内に、もう一度。
そう言ってくれた言葉を、
彼はちゃんと覚えていてくれた。
待ち合わせ場所で目が合うと、
彼はいつものように、
少し照れた笑顔で右手をあげる。
その手はすぐに伊織の手を探して、
迷いなく重なる。
「ありがとう」
そう伝えると、
『もちろんだよ!』と、
当たり前みたいに返ってくる。
今日は、20度目まして。
節目だなと思って、
一年分のお礼を込めた
ほんの小さなプレゼントを渡した。
『お〜!ありがとう!』
声のトーンが一段上がって、
子どもみたいに喜ぶ彼を見て、
胸の奥が少しだけあたたかくなる。
多くを語らない関係。
聞かない、踏み込まない。
それが、いつの間にか
ふたりの暗黙のルールになっていた。
だからこそ、
一緒に過ごす130分は、
余計なものが削ぎ落とされて、
ただ心地よい。
部屋に入って、
キスから始まる流れも、
ソファで身体を預け合う感じも、
大筋はいつもと同じなのに。
今日はどこか、
角が取れて、
呼吸が合って、
「慣れ」じゃない「馴染み」を
はっきりと感じた。
『ベッド行こうか』
その一言で場所を変えて、
また違う近さになる。
重なり合う時間の中で、
伊織が先に力を抜いたあと、
彼は少しだけ笑って、
静かに、深く息を吐いた。
すべてが落ち着いたあと、
天井を見上げたまま、
彼がぽつりと。
『ほんと、どんどん良くなるんだよな…
これからも“130分の恋人”で
よろしくね』
多くを求めない代わりに、
確かなものだけを重ねていく。
この距離感が、
やっぱりちょうどいい。
シャワーのあと、
ドラマや映画の話になるのも、
いつもの流れ。
『あれ、ほんとに良かったよ!』
「え、観てくれたんだ?でしょ?」
『あの俳優さんがさ…』
価値観が合うこと、
同じところで心が動くこと。
それを共有できる時間が、
なにより嬉しい。
帰り道も、
自然と手を繋いで。
年の瀬で賑わう街をすり抜け、
いつもの交差点まで。
『良いお年を』
そう言って、
いつものように頭をぽん、とされる。
人混みに消えていく背中を見送りながら、
思う。
また来年も、
130分の恋人で。
ここで、待ってます💓



