2025/12/17 09:05 up
14日 10:00朝活 Y駅 3度目ましてさま❤️
三ヶ月ぶりの再会。
それも、冷たい雨の降る午後だった。
関西に住む彼から予約が入ったと知った瞬間、
胸の奥がきゅっと音を立てた。
年に一度か二度。
それでもこうして思い出してくれることが、
何より嬉しい。
待ち合わせ場所に現れた彼は、
雨粒をまといながらも相変わらず穏やかな笑顔。
「寒いですねぇ」と並んで歩きながら、
自然と距離が縮まっていく。
ホテルに着くと、まずはソファで一休み。
すると彼が、いきなりこう言った。
『いや〜やっぱり伊織さん、すごいですわぁ』
思わず笑って理由を聞くと、
少し照れたように続けてくれる。
『何十度目まして、みたいなお馴染みさんが
たくさんいる中で、遠方で年に一、二回が
せいぜいの僕にも、ちゃんと時節のご挨拶を
送ってくれるでしょう?』
「お逢いしたいと、
心から思っている方にじゃないと
送らないですもの」
そう返すと、
『またまたまたー』と、いつもの調子で茶化された。
シャワーを浴び、
彼が先にベッドへ腰を下ろす。
濡れた髪のまま近づくと、
視線がすっとこちらに集まるのが分かる。
唇に触れた瞬間、
ためらいのないキス。
久しぶりだということを確かめ合うみたいに、
少しだけ深く、少しだけ長く。
指先が背中をなぞり、
雨で冷えた身体を温度で包み直していく。
触れるたび、呼吸が揃っていって、
三ヶ月分の距離が、静かに溶けていく。
舌が肌を辿り、
奥へと探るたびに、
声を抑えきれなくなる。
彼の集中した横顔が、
こちらの感覚をさらに引き上げてくる。
交代して、身体を寄せ合うと、
擦れ合う熱が一気に高まり、
逃げ場のないところまで追い込まれる。
果てる瞬間、
彼は短く息を呑み、
『…やっぱり、すごいですね』と掠れ声。
余韻の残る静けさの中、
そっと肩に額を預けると、
彼の鼓動はまだ早いままだった。
落ち着いたところで、並んで身体を休めながら、
話題は自然と“食”のほうへ。
グルメな彼が教えてくれる名店の数々は、
聞いているだけで楽しくて、
時間があっという間に過ぎていく。
伊織も、先日いただいた阿闍梨餅の話をすると、
彼の目がぱっと輝いた。
『お土産、何も持ってきてないですし…
今から買いに行きましょう!』
そう言って、早めに身支度を始める彼。
雨の中デパートへ向かい、
すぐに見つけた阿闍梨餅の売り場では、
長い列にも文句ひとつ言わず並んでくれた。
戻ってきた彼の手には、
阿闍梨餅の袋と、もうひとつ。
後で中を見ると、
ホテルで話していた塩豆大福まで。
さりげない優しさに、
胸の奥がじんわり温かくなる。
別れ際、
『伊織さんが言ってたサリサリカリー、
行ってみます』
そう言ってくれたのも、素直に嬉しかった。
冷たい雨の日だったけれど、
心はずっと、あたたかいまま。
また次に逢える日を、
静かに楽しみにしています💕



