2025/12/21 00:41 up
《別に、どうってことないし》
ガレージの車の下を
覗き込んでから、
心の中で呟きました。
いつ別れが来てもおかしくない、
そんな出会いばかりを繰り返して、
「期待する」ことを自分に許さずに
ずっとやって来たんだから。
たかが何日か続けて、
真夜中、
家の車の下に身を縮めて潜んでた猫なんて、
「来なくて当たり前」で、
淋しく思うなんて、
ないないないない。
ほんとにナンセンス。
どういうわけか、
勝手にレジカゴに入ってた猫缶も
ひとつ余っちゃったけど、
あのこの場合は、
多分どこかのお家の飼い猫で、
きっと、
待ってる家族がいるだろうし、
お腹を空かせたり、
寒い思いをしてなければ、
それで良いじゃん。
小さな古い膝掛けも、
あれは、捨てようと思ってたから、
車のタイヤのそばに、
ちょっと置いてみただけ。
そもそもわたしは、
「猫派」でなく「犬派」なんだから。
少しだけ、
嬉しかったし、
少しだけ、
愛犬と過ごした毎日を
思い起こしたけど、
それで。それだけで良い。
気を逸らすように、
ほうきとちりとりを手にとって、
庭に舞い散った枯葉を掃き集める。
延々とただ、
かさかさと乾いた枯葉の音が、
やけに静かな庭に響く中、
ふと縁側に目をうつして、
思わず、声が出ました。
「あ……おなか、すいてない?」
慌てて壁に立てかけたほうきが、
かたりと音を立てて倒れた音が
背中越しに聞こえました。
わたしは、「犬派」だけど、
「猫が嫌い」なんじゃないし。
次がどうとかじゃなくて、
今、少し浮かれたいだけ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🌸 心にのこったもの 🌸
「プレイの後は別の顔」
「さりげなく何気なく優しい人」
「ストイック」
「ポメラニアン仲間」
「また来ても良いかな?」
「甘えん坊な優しい人」
「写メ日記で気になって」
「気になる話の続き」
「2人で逃走」
「初見だけど、初見でない人」



